WebDAV とは・誰に必要か
WebDAV は、会社のクラウドではなく自分のサーバーにファイルを置くための、広く使われているしくみです。Nextcloud、ownCloud、InfiniCLOUD(TeraCLOUD)、坚果云、Koofr、大学のストレージ、家庭用の NAS の多くが対応しています。
Zotero では、論文に添付したファイルの同期先を「Zotero ストレージ」か「自分の WebDAV サーバー」から選べます(PC の Zotero の[設定]→[同期]→[ファイルの同期])。WebDAV を選んでいると、Zotero のサーバーに PDF は置かれません。そのため Rectoly も Zotero からは取れず、どの論文にも「ファイル未同期」と出ます。Rectoly でも同じサーバーを設定すれば、Zotero と同じように読み書きできます。
Rectoly は WebDAV サーバーの中を見て、PDF を取り出せます。この端末で読むことも、Mendeley に追加することもできます。Mendeley のライブラリ・端末のファイル・監視フォルダに加えて、PDF の入り口がもう 1 つ増えるかたちです。
ZotFile や ZotMoov で PDF を Zotero の外に移している場合は、別の設定になります。ZotFile・ZotMoov でリンクしたファイルをご覧ください。
WebDAV を設定する
PC の Zotero と同じ内容を入れてください。Zotero 側の設定は[設定]→[同期]→[ファイルの同期]にあります。URL・ユーザー名・パスワードをそこから写します。
- Rectoly で設定を開きます。
- 設定 ›「同期とバックアップ」›「ファイルの同期(WebDAV)」。
- 設定 ›「同期」›「ファイルの同期(WebDAV)」。
- 「ファイルの同期方法」を「WebDAV」にします。
- 接続は「https」のまま、「URL」にはスキームと
/zotero/の間の部分だけを入れます(例:example.teracloud.jp/dav)。末尾の/zotero/は Rectoly が自動で付けるので、入れないでください。Zotero 本体の設定も同じ形です。 - 「ユーザー名」と「パスワード」を入れます。サービスによっては専用のパスワードが要ります。アプリ用パスワードをご覧ください。
- 「サーバーを確認」を押します。
「サーバーを確認」では、その住所が本当に WebDAV サーバーか、ユーザー名とパスワードが通るか、試験用のファイルを置いて読み戻せるかを確かめます。通ると「確認済み」と日付が出ます。押さないまま転送を始めたときは、Rectoly が自動で確認します。
サーバーに zotero フォルダがまだ無いときは、「…/zotero/ がありません。作成しますか?」と出ます。「作成」を選ぶと、そのまま確認が続きます。このフォルダは Zotero が添付ファイルを置く場所なので、必ず必要です。
置いた直後のファイルをすぐには返さないサーバーもあります。そのときは「試験用のファイルをすぐには読み戻せなかった」と伝えたうえで、使えるものとして確認済みにします。
暗号化しない http は、家や研究室のネットワークの中のサーバー(192.168.… や .local など)にだけ使えます。その場合も「暗号化されない」という注意が出ます。それ以外は「https」を選んでください。確認できない証明書(自己署名など)は受け付けません。受け入れる方法は用意していません。Zotero 本体と同じです。
論文を開く
読み方は今までと変わりません。論文を開くと、PDF が端末に無ければ Rectoly が WebDAV サーバーから取ってきて、展開して開きます。PDF のダウンロードとオフラインをご覧ください。
- WebDAV に切り替える前から Zotero ストレージにあるファイルは、そのまま Zotero ストレージから開きます。混ざっていても、整理は要りません。
- グループライブラリの論文は、いつも Zotero ストレージから取ります。グループライブラリと手書きをご覧ください。
- サーバーにまだ PDF が無いときは、「この PDF は WebDAV サーバーにありません。PC の Zotero でファイルを同期してください。」と出ます。Zotero は次の同期でファイルを上げるので、PC 側の同期が終わるのを待つのがふつうの直し方です。
ダウンロードしたファイルは、Zotero が項目に記録しているものと同じかどうかを毎回確かめます。壊れていれば、開かずに捨てます。
Rectoly から追加した PDF
「WebDAV」を選んでいる間は、Rectoly が Zotero に追加するものはすべて Zotero ストレージではなく WebDAV サーバーに上がります。PDF を Zotero に追加、監視フォルダ、ほかのアプリから Rectoly に送った PDF、どれも同じです。
Rectoly は Zotero に項目を作り、ファイルをサーバーに上げ、どのファイルがその項目のものかを項目に書き込みます。PC の Zotero は次の同期でそのファイルを受け取り、ほかの添付ファイルと同じように表示します。PC 側ですることはありません。
- グループライブラリへの追加は、今までどおり Zotero ストレージに入ります。グループは WebDAV を使えないためです。
- サーバーの空きが足りないときは「WebDAV サーバーの空きが足りません」と出て、論文は追加されません。
- 途中で止まったアップロードは、次に Rectoly を動かしたときに続きから進みます。同じ手順を繰り返しても問題ない作りです。
- ログアウトすると、保存したパスワードは Zotero のログイン情報と一緒に消えます。入れ直すまで、Rectoly は PDF の追加を始める前に止まります(黙って Zotero ストレージに上げることはしません)。
グループライブラリと手書き
- グループ・公開ライブラリ・フィードは、いつも Zotero ストレージです。 Zotero 自身が WebDAV を認めていないので、WebDAV を選んでもグループの動きは変わりません。
- 手書きは Zotero ストレージに置きます。 Rectoly は読書モードの手書きを、論文に添えた小さなファイルとして Zotero に保存します。PDF が WebDAV にあっても、このファイルは Zotero ストレージに行くので、ほかの Rectoly の端末にもそのまま届きます。タブレットと PC で手書きを共有をご覧ください。
- Zotero ストレージに戻すのも自由です。サーバーの設定を残しておけば、WebDAV に上げた論文も開けますし、端末にある PDF が消えることもありません。サーバーのファイルをどうするかは、PC の Zotero の仕事です。
- Rectoly は、自分が置いたもの以外をサーバーから消しません。
サーバーを登録する
- 設定を開きます。
- 設定 ›「同期とバックアップ」›「WebDAV サーバー」。
- 設定 ›「同期」›「WebDAV サーバー」。
- 接続は「https」のまま、見始めたいフォルダの「URL」を入れます。Nextcloud なら
cloud.example.com/remote.php/dav/files/USERのような形です。大学のストレージや NAS にはそれぞれの住所があります。ユーザー名や「?」「#」から後ろは入れないでください。 - 「ユーザー名」と「パスワード」を入れます。サービスによっては専用のパスワードが要ります。アプリ用パスワードをご覧ください。
- 「接続を確認」を押します。通ると「確認済み」と出て、すぐに使えます。
登録できるサーバーは 1 台です。「削除」を押すと、設定とこの端末のパスワードを消します。設定するには Mendeley にログインしている必要があります。
暗号化しない http は、家や研究室のネットワークの中のサーバーにだけ使えます(注意が出ます)。それ以外は「https」を選んでください。確認できない証明書は受け付けません。
サーバーを見て PDF を開く
- ライブラリで「…」›「WebDAV から開く…」、または「WebDAV から Mendeley に追加…」を選びます。
- ライブラリの一覧の上の「⋮」›「WebDAV から開く…」、または「WebDAV から Mendeley に追加…」。読んでいる間は、論文の上の「取り込む」メニューにも同じ項目があります。
一覧に出るのはフォルダと PDF だけです。サーバーのほかのファイルは出しません。フォルダを開くと中に入り、上のパンくずで戻れます。「名前順」「更新日順」で並べ替えられます。最後に見ていたフォルダは覚えています。
PDF を選んだあとは、次のどちらかです。
- 開く: この端末に取り込んで開きます。読むための機能はすべて使えます。ほかの「この端末の PDF」と同じ棚に入るので、あとから無料で開き直せます。ログインせずに PDF を開くをご覧ください。同じファイルをもう一度選んでも、サーバー側が変わっていなければ取り直しません。
- Mendeley に追加: ライブラリに追加します。タイトル・著者・年の確認の画面は今までどおりです。PDF を Mendeley に追加をご覧ください。いくつか選んで、順に追加することもできます。
Rectoly はサーバーを読むだけです。書き込みも、名前の変更も、削除もしません。1 つのフォルダに数千を超える項目があると一覧にせず、「項目が多すぎます。フォルダを分けてください。」と出ます。
アプリ用パスワード
ふだんのログインのパスワードでは WebDAV を通さず、別のパスワード(アプリ用パスワード)を求めるサービスがあります。正しいはずのユーザー名とパスワードが受け付けられないときは、たいていこれが理由です。2 要素認証を使っていると必ず必要になります。
- Nextcloud・ownCloud: 個人のセキュリティの設定でアプリ用パスワードを作り、ログインのパスワードの代わりに使います。ユーザー名は同じです。
- InfiniCLOUD(TeraCLOUD): アカウントのページで「アプリ連携」を有効にすると、アプリ用パスワードが発行されます。ウェブにログインするパスワードの代わりにこれを使います(一度しか表示されません)。
- 坚果云: アカウントのセキュリティの設定でアプリを追加すると、ここで使うパスワードが出ます。
ユーザー名は、そのサービスが WebDAV 用に表示しているものです。メールアドレスとは限りません。
パスワードの置き場所
住所・ユーザー名・パスワードはこの端末にだけ残り、パスワードは OS のしくみで暗号化して保存します。
- キーチェーン。
- Windows のアカウントに結び付けた暗号化。
送り先はあなたのサーバーだけです。Rectoly のサーバーがこれらを見ることはなく、WebDAV を使っていることを Mendeley・Zotero に伝えることもありません。ログアウトするとパスワードは端末から消えます。ほかの設定は残るので、入れ直すのはパスワードだけです。あなたのデータをご覧ください。
うまくいかないとき
出てくる文はどれも、あなたのサーバーについてのものです。
| 出る文 | 意味と対処 |
|---|---|
| サーバー … に接続できません | その住所に何も応答がありません。URL の打ち間違い、ネットワークが無い、サーバーが止まっている、のどれかです。ブラウザで住所を開いて確かめてください。 |
| … は WebDAV の URL ではないようです | 応答はありましたが、WebDAV サーバーとしてではありません。だいたいはパスの間違いです。WebDAV の住所は、ブラウザで使う住所とは違うことがほとんどです(Nextcloud は remote.php/dav/files/<ユーザー名> で終わります)。 |
| WebDAV サーバーがユーザー名とパスワードを受け付けませんでした | ユーザー名かパスワードが違うか、アプリ用パスワードが必要です。アプリ用パスワードをご覧ください。 |
| このサーバーの … にアクセスする権限がありません | ユーザーは通りましたが、そのフォルダを使う権限がありません。自分のフォルダを指すか、サーバーの管理者に確かめてください。 |
| この URL のフォルダが見つかりません | ホスト名から後ろの部分が、サーバーに存在しません。 |
| サーバーの証明書を確認できませんでした | 確認できない HTTPS は使いません。自己署名の証明書も受け付けません。端末が信用する証明書を入れてください。 |
| 暗号化しない接続(http)は… | http は家や研究室のネットワークの中のサーバーにだけ使えます。「https」を選んでください。 |
| サーバーが要求を制限しています | 短い間に要求が多すぎました。坚果云など、上限のあるサービスで起きます。数分おいてからもう一度お試しください。 |
| WebDAV サーバーのファイルを開けませんでした(形式が違います) | 返ってきたものが、期待したファイルではありませんでした。特定の論文だけで起きるなら、サーバー側のそのファイルが壊れている見込みです。 |
| この PDF は WebDAV サーバーにありません | PC の Zotero がまだ上げていません。PC でファイルを同期してから、ここでライブラリを同期してください。 |
| WebDAV サーバーに zotero フォルダがありません | zotero フォルダが移動・削除されています。「サーバーを確認」を押すと、作成するかを尋ねます。 |
| ダウンロードしたファイルが壊れていました | 項目に記録されている内容と合いませんでした。開かずに捨てます。もう一度お試しいただき、続くようなら Zotero から上げ直してください。 |
| WebDAV サーバーの空きが足りません | サーバーの空きを作ってから、もう一度追加してください。 |
| 無いはずのファイルがあると答えています | 存在しないファイルに対する応答が正しくないサーバーです。安全に同期できないので、サーバーの管理者に確かめてください。 |
| WebDAV のパスワードがこの端末にありません | ログアウトで消えています。設定で入れ直して「サーバーを確認」を押してください。 |
| この PDF はもうサーバーにありません | 一覧を開いている間に移動・削除されました。フォルダを読み込み直してください。 |
| この PDF は大きすぎて、この端末に取り込めません | 小さいファイルを選ぶか、端末の空きを増やしてください。 |
| 項目が多すぎます。フォルダを分けてください | 1 つのフォルダの項目が、一覧にできる数を超えています。サーバー側でフォルダを分けてください。 |
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