MendeleyのPDFをiPadに取り込む手順
MendeleyのライブラリにあるPDFをiPadで読むための3つの経路 — Safariで読む、ファイルを書き出して移す、ライブラリを同期する — の具体的な操作手順です。
Mendeleyのライブラリにある論文がiPadで読める状態になるまでには、3つの経路があります。Safariで読む、ファイルを書き出して移す、ライブラリを端末に同期するアプリを使う。この記事は、そのそれぞれの操作手順です。
比較記事ではありません。どの経路が自分に合うかまだ決めていない場合は、MendeleyをiPadで読む方法【2026年版】をご覧ください。この記事は、経路を決めた人が「どこを押せばいいのか」を知るためのものです。
経路1:Safariで読む
最短で、何もインストールしなくて済む方法です。
- iPadのSafariでMendeleyのライブラリを開き、サインインします。
- 読みたい文献をタップします。ファイルが添付されている文献にはPDFアイコンが表示されています。
- PDFがブラウザ上で開きます。
手順はこれだけです。通信が必要で、ページに対してできることはブラウザが提供する範囲になります。
経路2:PDFを書き出してiPadに移す
この経路は、論文が欲しくなったときにどこにいるかで、出発点が2つに分かれます。
すでにiPadを使っている場合
- SafariでMendeleyのライブラリを開き、目的の文献をタップします。
- 画面右側に詳細(Info)パネルが開きます。Filesエリアにあるファイル名(青字のリンク)をタップ
します。文献行の左にあるPDFアイコンを直接タップしても同じです。
- 「"mendeley.com" から "〜.pdf" をダウンロードしますか?」というSafariのダイアログが出るので、
ダウンロードをタップします。
- ファイルはファイルアプリのダウンロードフォルダに保存されます。どちらに入るかはSafariの
設定によります。初期設定ではブラウズ › iCloud Drive › ダウンロード、端末本体に保存する設定にしている場合はブラウズ › このiPad内 › ダウンロードです。
あとは、普段読んでいるPDFアプリで開きます。
パソコンの前にいる場合
Mendeley Reference Managerには、注釈ごと書き出す専用の機能があります。Mendeley公式の手順は次のとおりです。
- ライブラリから書き出したいPDFファイルを選択します。
- InfoタブにFilesが表示されます。
- Files の下に、その文献に添付されたPDFがあります。
- PDFの横にある三点メニューをクリックします。
- Export PDF with Annotationsを選択します。
- Saveをクリックします。保存先はローカルでもクラウドでも選べます。
iCloud DriveやDropboxなどに保存しておけば、ケーブルなしでiPadの「ファイル」アプリから手が届きます。
どちらの出発点でも、行き着く先は同じです。iPadのどこかにPDFファイルが1つ置かれ、何かのアプリで開かれるのを待っている状態になります。
経路3:ライブラリを同期するアプリを使う
この種のアプリはMendeleyアカウントにサインインしてライブラリを端末に取り込むので、論文ごとのダウンロード作業自体がなくなります。
- アプリをインストールし、Mendeleyアカウントでサインインします。
- 最初の同期を待ちます。
- ライブラリの一覧から論文を開きます。
セットアップは1回きりで、以降は新しい論文が増えても手順2はありません。この分野のアプリで差が出るのは、どの種類の注釈がライブラリに戻るかで、それが次の節の話です。
注釈はどこへ行くのか
半年後にこのワークフローがどう感じられるかを決めるのはこの部分で、経路ごとに結果が違います。
経路2はコピーを分裂させます。ダウンロードした時点で、iPad上のコピーとMendeleyに目録されているコピーは別々のファイルです。リーダーアプリでハイライトした内容は、ダウンロードしたコピーに対して起きます。Mendeleyはそれを知りません。後で同じ論文をもう一度書き出せば、書き込みのない新しいファイルが手に入り、コピーは3つになります。
経路3はアプリ次第です。ライブラリを同期するアプリは、注釈をライブラリに書き戻すこともできます。その場合、注釈を書いたコピーと目録に載っているコピーは同じ1つのファイルのままです。ただし、実際にそうなるか、どの種類の注釈が対象かはアプリによります。1学期分の作業を預ける前に確認しておく価値があります。
フォルダ単位でやろうとすると
ここまではすべて論文1本の話です。本数が増えると話が変わります。
Mendeleyが文書化しているエクスポート手順は、1ファイル単位で書かれています。文献を選び、そのFilesを開き、その添付ファイルの横のメニューを使う。フォルダ分の添付ファイルを1回の操作でまとめて書き出す方法は、サポート記事には記載されていません。
論文1本なら数秒です。20本の講読リストなら、同じ4手順を20回。出版社が付けた名前のままのファイルが20個ダウンロードフォルダに並び、後になって「どのコピーに自分の書き込みがあるのか」という判断が20回発生します。
経路2が続かなくなるのは、何か機能が足りないからではありません。この掛け算のせいです。
Rectolyはどこに入るか
Rectolyは経路3です。Mendeleyアカウントに一度サインインすればライブラリがiPadに入り、読むために作られたリーダーで開きます。Apple Pencilでの注釈、2本の論文の並列表示、同期後はオフラインでも利用可能。ハイライト・ノート・付箋は双方向に行き来するので、注釈を書いたコピーと目録に載っているコピーは1つのままです。
逆方向にも動きます。すでにiPadにあるPDFを、Rectolyの中からMendeleyのライブラリに追加できます。アプリ内のMendeleyにPDFを追加から1本ずつ追加するか、同期設定でウォッチフォルダを指定しておけば、そのフォルダに置かれたPDFが自動的に拾われます。追加される前に文献情報を自分で確認できるので、出版社が付けたファイル名のまま登録されてしまうこともありません。
よくある質問
MendeleyからダウンロードしたPDFはiPadのどこに保存されますか?
ファイルアプリのダウンロードフォルダです。初期設定ではiCloud Drive › ダウンロード、端末本体に保存する設定の場合はこのiPad内 › ダウンロードになります。
Mendeleyのライブラリを一括でダウンロードできますか?
Mendeleyが文書化しているエクスポート手順は添付ファイル1つずつの操作で、サポート記事に一括の方法は記載されていません。ライブラリを同期するアプリを使えば、この問題自体がなくなります。ファイルごとのダウンロード作業が存在しないからです。
Mendeley側で付けた注釈はPDFに含まれますか?
デスクトップ版Mendeley Reference ManagerにはExport PDF with Annotationsという選択肢があり、書き出すファイルに注釈が書き込まれます。ただしこれは一方向のコピーです。その後リーダーアプリで追加した注釈は、そのアプリの中に留まります。
iPadからMendeleyにPDFを追加できますか?
使っているアプリが対応していれば可能です。Rectolyは対応しており、1本ずつ追加する方法と、ウォッチフォルダを使う方法があります。
おわりに
論文1本あたりの手順は、3つの経路のどれも短いものです。差がつくのは20本目で何が起きているかと、そのとき自分の注釈がどんな状態になっているかです。
ライブラリがこれからもMendeleyにあるのなら — そしてほとんどの人にとってそれでいいのですが — 問うべきなのは「1本のPDFをiPadに入れる方法」ではなく、どの経路なら自分の手を離れてくれるかです。